スコープをマウントリングにセットした際に、マウントリングに隙間があきます

スコープをマウントリングにセットした際に、マウントリングに隙間があきます

スコープを銃にマウントする際には、マウントリングをマウントに固定してから
水平を確認し、スコープをマウントリングにセットします

その後マウントリングのネジを締めこみますが、(スコープの筒が歪まない程度に)
力をいれて締め付けても、マウントリングとマウントリングの間に隙間が出来ることがあります。

最近ご質問・ご相談で、マウントリングにスコープをマウントする際に、
この隙間があるのは不具合ですか?というご連絡を頂きます。

結論から先に言いますと、この隙間は正常です。

隙間が出来る理由ですが、工業製品には製造誤差というか、
生産時に許容される製造公差というか、規格上で許される寸法の差があります。

大体のマウントリングは、そのスコープ専用という訳ではなく、
その他にも使える汎用という事で製造されている事が多く、
またスコープも全て同じ寸法で作られてはいません。

もちろん手で触って分かるような大きな寸法差はなく、
普通の人は触っても気付かない位の差でしかありませんが、
マウントはそういった差にも対応できるように、あえて小さく作られています。


ここから下は余談なので、興味のある方やお時間のある方はお目通しください。

精度が必要な競技用の銃や猟銃などは、スコープを取り付ける際に、
ラッピングという作業がほぼ必須となります。

このラッピングという作業をすごく大雑把に説明しますと、
マウントリングの内側を特殊な工具で削って凹凸をなくし、
スコープをマウントした際に精度が出るように研磨します。
しかしスコープの外径より大きいサイズまで削ってしまうと、
スコープの固定が出来なくなります。

高級なマウントリングは、
簡単に変形しないように硬い素材で作られ、ラッピング作業前提で、
精度や銃の反動・動作に耐えうるマウント力、ギリギリの寸法で作られています。

故に、一般的なマウントリングの数倍から数十倍の価格がします。
マウントする光学機器も、それに見合うような超高級品がほとんどです。

当店で扱っている光学機器とマウントですが、実用品がほとんどです。
製品によって許容される耐衝撃性に差はありますが、ほぼ全部実銃対応品です。

大量に生産され、コスパに優れた製品をお手軽な価格で提供するために、
鋭意努力を務めています。

コスト削減のために付属品を減らすメーカーもある中、
使用の際に無いと困るマウントリングは汎用品ですが省きません。

汎用品は汎用品であるために、ある程度調整の幅を持たせられるよう
隙間が空きます。

その隙間が気になる…という事でしたら、前後のマウントや左右で、
なるべく隙間が均等になるように、調整しながらネジを交互に締め付けてください
左右の隙間が均等でなくても、スコープの水平が出ていれば、
ある程度は精度が出ているかと思います。

また、ラッピング作業で改善する場合もありますので、
お世話になっている銃砲店などにご相談をして頂いても良いかと思います。